団長の思い 19

2023.7.12(水)

仕事帰りに東京藝大の奏楽堂に藝大WOを聴きに行って来ました。指揮はルノメンバーも何人かお世話になった大井剛史先生です。ここ数年聴きに行ってますが凄く音色が美しいオケです。それに今や吹奏楽オーソリティとなった感のある大井さんの解釈が加わって各楽曲の個性が際立って聴こえて来るように思います。
今回のプロはフランス組曲(ミヨー)でスタート、各楽章の個性が際立っていて説得力豊か、特にブルターニュやアルザス・ロレーヌのようなゆっくりな楽章に顕著で牧歌的な中にも不安を感じるハーモニーが常に耳に入って来て素晴らしい出来栄え👍。強いて言えばコルネットパート(ここは基本指定の楽器を使うオケです)が、もっと太くて柔らかい音にならないかなと感じました。イギリスのオケやWOだとコルネット育ちのプレイヤーがトランペット吹いてる音がするんだけど、日本ではトランペット吹きが演奏するコルネットの音がする(気がする)。
2曲目がアーデンの森のロザリンド(リード)という小品。如何にもリードない一服の清涼剤。1部最後はウエストポイント・コンチェルト(ネリベル)で、今年3月に大井さん指揮で国内初演をした曲とのこと。4楽章の前で何故かコルネットパートとトランペットパートが立ち上がって席の入れ替わりをしたんだけど、5楽章はコルネットパートがおやすみのためでした。5楽章は後から追加した部分との事でしたので編成が違ったのかも。
2部は秘儀Ⅴエクリプス(西村朗)。原始的祭祀をテーマとしてて、Ⅴは日蝕に初めて出会った人間が光を求めて祈祷する、やがて甦る太陽に歓喜の祈りを捧げる、ってな事らしいんだけど、確かにそんなイメージを感じました。途中全員で踊るシーンが印象的。
最後がマスランカの4番。名前は知ってたけど実際に聴くのは初めて。フル編成のバンドに加え、パイプオルガンが随所に加わり豪華絢爛と言う表現が相応しい大曲。ラッパはピッコロでHiFくらいまでジャンジャン吹かせる!どの楽器も音域も音量も指回しも限界まで使う!って感じの曲でした。お腹いっぱい!
サービス精神旺盛な大井さん、さらにキングのマーチをアンコールで演奏してお開きとなりました。
クソ暑くて上野からの行き帰りで汗ビッショリになったけど、行った甲斐のあるコンサートでした。