かけもちと合唱のお話

ホームページにお越し頂きました皆様、こんにちは。
当団は活動時間が日曜夜という時間帯のせいか、複数の演奏団体をかけもちしている人がとても多いです。
私もその中の一人なのですが、オーケストラのスタメンに入れない楽器という事情により合唱を担当しています。
社会人になってからはじめた合唱でカルチャーショックを受けたことをいくつかご紹介します。

・本番では動いてはいけない
吹奏楽だと曲によっては楽器の交換やミュートの着脱などで大忙しで、そんなことは絶対に不可能ですが、合唱で周囲と違う動きをしようものならとても目立ってしまいます。
鼻の頭ひとつ掻くにもめちゃくちゃ気を使います。

・楽譜が全員同じ
合唱は一部の例外を除いてパート譜がありません。
ソリストも含め、全員同じ楽譜を使います。
これは「ヴォーカルスコア」と呼ばれるタイプの楽譜で、自分が休みの箇所にも音符が書いてあるスグレモノです。なのに落ちる時には落ちます。
(合唱団の方に休みの数字だらけの吹奏楽のパート譜を見せると「よくこれで演奏できるね」と言われます)
興味深いのは全員同じ楽譜を持ち、同じ先生のアドバイスを聞いているはずなのに、楽譜にメモされる内容が多種多様なことです。
例えば画像のように、私は楽譜部分にマーカーを引くのですが、歌詞部分にマーカーを引く人も多いです。

・待ち時間が長い曲が多い
画像はご存じ「第九」の一番有名な箇所ですが、第九で合唱が登場するのは終楽章の中盤からです。
それまでの1時間近くは、ひたすら待機です。
そういう時間は「お客様」になってしまわないよう気をつけているんですが、プロオケの打楽器の人などはどう過ごしているんでしょう…?気になります。
一方で「カルミナ・ブラーナ」のように全編を通して出番がある曲は、立ち座りのタイミングも頭に入れておく必要があったりします。

・(おまけその1)
合唱団の方に「吹奏楽のチューニングはB♭」と話すと、驚かれることが多いです。

・(おまけその2)
ドイツ語の曲を演奏することが多い合唱団のせいか、私の楽器ケースの「Selmer」の文字を見て100%の確率で「ゼルマー」と発音してきます。