【その3】 フランス組曲の18の旋律(2)

今回は『フランス組曲』の中に組み込まれた18の旋律のうち、フランス各地の11曲の民謡をミヨーがどこに、どのように使ったのかについてです。

以下のリンクはアメリカの名門ノース・テキサス・ウィンドシンフォニーによる『フランス組曲』の演奏(2011)です。

指揮はアメリカの吹奏楽界の重鎮、ユージン・コーポロン先生です。

この動画では、先ずオリジナルの民謡がピアノ伴奏とテノール独唱で紹介され、その後に『フランス組曲』の中で使われた実際の旋律を楽団が演奏するというスタイルで次々に紹介されているのがとても興味深いです。

またコーポロン先生は学生だった若き日に、目の前でミヨー本人にリハーサルを指揮してもらったことがあると語っていて羨ましい限りです。またその時、マドレーヌ夫人が客席から大きな声でミヨーに「もっと柔らかく!」とかアドバイスを飛ばしていらした、なんて微笑ましいエピソードが紹介されています。(15:50)

各楽章ごとに「民謡タイトル(拙訳)」、動画上の場所(xx:xx)、《小節番号m.xx》を入れてみました。

Ⅰ楽章:ノルマンディー
(1) 「ジャメイン」2:15、《m.1》
(2) 「フランスの羊飼い娘とイングランド王」3:24、《m.45》

Ⅱ楽章:ブルターニュ
(3) 「パンポールの娘」4:35、《m.1》
(4) 「リーの水兵たち」 5:50、《m.12》
(5) 「変身の歌(姿を変えて)」 7:20、《m.27》

Ⅲ楽章:イル・ド・フランス
(6) 「右手にバラをもって」 8:55、《m.2》
(7) 「聖ヨハネの日」 9:40、《m.25》
(8) 「白バラの乙女」 10:50、《m.51》

Ⅳ楽章:アルザス・ロレーヌ
(9) 「5月が来たよ」 11:50 、《m.25》
(10) 「5月」 13:00 、《m.54》

Ⅴ楽章:プロヴァンス
(11) 「マガリ」 14:45、《m.58》

次回はそれぞれのフランス民謡の情景などをお伝えしたいと思います。

(つづく)