団長の思い 18

2023.6.22東京オペラシティ・タケミツメモリアル

毎年6月に行われる山形交響楽団の「さくらんぼコンサート」を聴きに行ってきました。もう3〜4年聴きに行ってるんだけど、プロオケのコンサートにしては若干チケットが安いのです。
山響自身は勿論、山形県も強烈にこのコンサートを後押ししているみたいで客席はほぼ満席(在京山形県人会のようなものを動員するのでしょうか?)だし、ロビーはさくらんぼを始めとして山形名産品を各種取り揃え、さながら「道の駅」のようでした。
今回の目玉は何と言っても世界No.1とも言われるラデク・バボラーク(以下バボちゃん)が指揮とソリストを務めた事です。正直バボちゃんのリサイタル行ったらチケットもっと高いからね!こりゃお得ですよ。バボちゃんは山響のミュージックアドヴァイザーなるポジションに就いたらしくこれから暫く山響と一緒にやる事が多くなるみたい。開演前にもステージに引っ張り出され(しかも青いハッピ着せられて!)喋らされ、我が祖国(6曲「ブラニーク」)を振ったと思ったらホルン持って出てきてモーツァルトの協奏曲3番、ドニゼッティの協奏曲を吹き振り(!)、後半はドボ8と八面六臂の大活躍です。コンチェルトやる時なんて普通相当神経質になるものなんだろうけど、バボちゃんは全然!スメタナ振った後もほぼ音出さずにコンチェルトやってたからねー。それで音色が素晴らしいんだ、これが。「夢のような音」としか言いようのないホールを満たすうっとりするような音色。何処から音が出てるのかわからないくらい柔らかで広がりのある音色。これだけでも行った甲斐がありました。ブラボー!
もちろんオケのメンバーも熱演でした。印象としては管楽器がどのパートもいい音だったのが印象深い。特に良かったのがラッパ首席の井上さん、最近は少なくなったモネット(ボストンのトランペット工房)使いでこの日はマウスピース一体に見えるC管を吹いてました。モネットらしい吹けば吹くほど広がりの出るいい音でした、こちらもブラボー!
ホルンも良かったのですが、バボちゃんが振るオケで吹くホルニストってどんな気持ちなんだろう、プレッシャー凄いだろうなとちょっと可哀想になりました。ソロも指揮も見事に務め上げたバボちゃん、本人が一番喜んでたみたいでカーテンコール時には全部のパートトップと握手して回ってました。
素敵な演奏会でした。