団長の思い 20

2023.8.24()サントリーホールサマーフェスティバル

~実にコスパの良い、演奏会でした~

サントリーホールが開館以来、毎夏に開催している現代作曲家を特集する演奏会に行ってきました。

今年のテーマ作曲家はオーストリアの女性作曲家、オルガ・ノイヴィルトです、もちろん初めて聞く名前でした。

演奏会の内容はサントリーホールが彼女に委嘱した「オルランド・ワールド」と、ノイヴィルトさんの別の曲「旅/針のない時計」(こちらも日本初演)。それに彼女が選んだスウェーデンの作曲家、ヤコブ・ミュールラッドの「REMS」、最後にスクリャービンの交響曲4番「法悦の詩」というものです。

実は最後の「法悦」が楽しみでチケットを購入したんです。ラッパ吹きならご存じの方も多いでしょうがフル編成のオケとソロトランペット(&トランペットセクション)が最初から最後まで対等に渡り合う実にカッコいい曲なんです。私はシカゴ響のA.ハーセスおじいさんの演奏を聴いて大ファンになりました。

とまあ、テーマ作曲家には何の知識もなく聴きに行ったわけですが、いやいや実は凄かった。このノイヴィルトさんの作品、物凄い大編成!フル編成のオケに加え、プリペアドピアノにハープシコード、エレキギターに加えて打楽器3パート(5人くらいで演奏していた)という構成。打楽器の内容も、サンダーシート、クラクション、タイキック、いや違ったタイゴング(2セット)なんやらを含む何十台もの楽器群(画像ご参照ください)、バスクラ・アルトサックスもソロ楽器として使うし、トランペットも5人乗ってうち3人がピッコロと持ち替えという、思いつく限りのあらゆる楽器を駆使した大曲なんです。

曲の内容としては色んな風景、中世の音楽から現代のポップスまで色んなシーンをパッチワークのように切り取って重ね繋げる、という印象でした(そのために色んな楽器が必要なのかね?)。面白かった。

楽しみにしていた「法悦」もパイプオルガンやハープ2台(1)にラッパは5台と大編成でとにかく贅沢なプログラムでした。

お客さんの入りは7割くらいでちょっと残念、オーケストラは東響で良く頑張ってました。ブラボー!